人形




「・・・わかったわ。
行っても良いわよ。

一つだけ条件があるけどね」



「条件?」



「防犯ブザー、持っていきなさい?」



 ・・・それだけ?



「何かあったら叫ぶこと。
防犯ブザーを鳴らすこと」


「わかったわ」






 私は部屋に戻り、小学生の頃使っていた防犯ブザーを取り出し、鞄につけた。


 高校生になって防犯ブザーつけるなんて、思わなかったわね。


 携帯電話、必要最低限のお金の入った財布、ブザーを持ち、私は夜の外へと出掛けた。






 何事もなく、病院へ着いた。


 大体、お母様心配性なのよ。


 病院、屋敷から徒歩15分の所にある病院なのに。


 それなのに駄目よって言って。




 まぁ娘だし、気になるのかしらね。


 夜だし。







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