人形
でも、私は思うんだ。
私があの日案内しなければ良かったんだ、と。
可笑しいと気が付いて、お父様とかに連絡すれば良かったんだ。
そうしたら、涼馬くんが傷つくことも、ご両親や叔母さんが死ぬこともなく、私がこんなに悩まなくて済んだんだ。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。
「・・・本当、泣き虫ですね、あなたは」
え?
ふと見ると、目の前に涼馬くんの素顔が見えた。
って、近いっ!
何でいるの・・・?
「おや?どうされましたか?」
「どうされましたか、じゃないよ。
どうして起きているの?
眠っているってお母様言っていたよ?」
「確かに寝ましたよ?
麻酔しないで手術はさすがに嫌ですからね」
そういうこと・・・?
騙されたぁぁぁぁ!!??