人形
でも、涼馬くん少し怖いよ?その笑顔。
「何か言った?由真」
「何にも言っていないよー?」
あの恐怖の笑顔で微笑まれたら、私も絶叫する羽目になりそうだわ。
「にしても、よくお父さんが許したねー。
お嬢様と執事の恋なんて、ご法度じゃない?」
「まぁねー。
一応涼馬くん仮であって、本物の執事ではなかったから。
本物の資格を持った執事なら、どうなっていたかな?
お父様よりお兄様の方が許さなかったな」
「そうなの?
由也さん、良い人そうなのに」
「どこが、あのシスコン。
涼馬くんと2人きりになって、質問攻め。
私のどこが好きなんだ?とか、将来私を自分を盾にして守れるか?とか。
大切にされているんだなーとは思うけどね」
「あはは、お兄さん面白いねー」
「確かに。
面白い所はあるね」
ちなみに、健太のことですが。
今は少年院で過ごしているそうです。
私のことは忘れて、新しい恋に進めるよう、頑張ってお勉強中の様です。
更生したら、謝罪しに会いに行っても良いかと言われている。
涼馬くんに聞いたら、いつでもどうぞとのことなので、少し私も楽しみにしている。