人形
でも、これから私の執事はどうなるのかしら?
お兄様にも執事はついているから、私につかないわけないわよねぇ?
私は朝食を食べ終わってから、お父様の部屋へ向かった。
「由真お嬢様。どうされましたか?」
お父様の執事に言われ、私は今お父様に会っても大丈夫か聞いた。
「大丈夫でございますよ。どうぞ」
お父様の執事が、部屋への扉を開けてくれた。
「おぉ由真。今呼びに行こうと思っていた所だ。
来てくれて良かったな」
私のお父様・泉隆也(りゅうや)は笑いながら、目線を窓際に向けた。
お父様の部屋は広く、壁の一部が全てガラス張りとなっている。
そのため、窓からの眺めは良い。
―――彼も、窓際に立ち、景色を見つめていた。
後姿の、彼。
見たことがない。
ただ1つわかることがある。
それは、服装だ。