人形
「涼馬くんはお前の知る都築涼馬ではない。
今の涼馬くんは感情をなくしている。
明るい由真の執事にさせれば、きっと変わってくれると思ったんだ」
「確かに変わるかもしれないけど・・・。
大丈夫なのか?由真の傍において。
由真はあの事件のことを全て知っているんだぞ?」
「・・・なんだと?
由真は何も知らないんじゃないのか?」
「何言っているんだよお父様。
ぼけたのか?」
「失礼なことを言うな」
「ごめんごめん。
でも、由真があの事件に関わっていることは本当だよ。
俺なんかよりも内容を知っているかも」
「・・・由真は気が付いていないのか?
涼馬くんがあの事件の被害者だと」
「多分知らないと思う。
何も反応していなかったし。
由真にとっては忘れたい事件なのかもしれないな」
「・・・優里奈にも言ったが、由真と涼馬くんについて見ておくように。
涼馬くんはそんなことをする人ではないと信じているが、何が起こるかは予想出来ない」
「わかった。
じゃあ俺大学行くわ」
「気を付けるんだぞ」
「わかった」
俺は急いで待機している車のもとへ走った。
大丈夫なのか・・・。
由真に何かしたら、俺が許さねぇから・・・。