人形




 そーなんだー。


「今、5時ですが、お夕食はどうされますか?」



 え!?もうそんな時間なの!?



「そーねー・・・。
ご飯、いただこうかしら」



「ではわたくしはキッチンへ行って参ります。
再び戻って参りますので、由真はこちらでお待ちください」



「・・・嫌っ」



「・・・どうされましたか?」



「行っちゃ嫌だ。
ここにいてちょうだい」



「お夕食はどうなさるのですか?」



「この部屋には電話機があるの。
それからシェフに電話して運ばせるわ。

涼馬くんは、ここにいなさい」



「・・・かしこまりました」



 私に向かって一礼したのを見た私は、電話機でシェフに連絡し、料理を涼馬くんの分と私の分を運ばせた。



「今日は涼馬くんへ私からの歓迎パーティーよ。
私と一緒にお食事を頂きなさい。

これは私からの命令よ?
あなたに拒否権はないからね」



 少し俺様な態度の気もするが、私は自分で思うほどの不器用なので、こうするしか言えないのだ。






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