人形
「・・・間宮、ですか」
「そうよ?」
「・・・そうですか。
ご友人は多いのでしょうか?」
「失礼なこと言うのね。
まぁ良いわよ。
友達はそんなに多くないわ。
仲良い子が1人いるから、その子だけ。
あとは私に近づかないわ」
「・・・どうしてですか?」
「私が泉の令嬢だからよ。
泉の令嬢を怒らせたら、自分の家を没落させることと同じことだもの。
だから周りの子はご両親から私に近づかないよう言われているの」
「そうですか・・・。
では、なぜ由真のご友人である方はご友人になったのでございますか?」
「その子は翠子(みどりこ)といってね。
名前は令嬢っぽいけど、ごく普通の家庭の子なの。
だから何も知らずに私に話しかけたのがきっかけよ。
翠子と初めて出会ったのが6歳の頃だから・・・。
かれこれ11年前も一緒にいるわね」
「長いお付き合いですね・・・」
「私もそう思うわ。
でも翠子みたいに私自身を見てくれる子はいないわね。
私は翠子を信頼しているわ。
翠子も泉を気にせず関わってくれるし。
凄く良い子なのよ。
今度、涼馬くんにも会せるわね
家にでも連れてくるわ」
「・・・お言葉ですが。
わたくし、隆也様から由真の送り迎えをするよう言われています。
ですから、明日にはそのご友人に会えるのでございます」
あ、そうなの?