人形
「ご馳走様。
何か飲み物が飲みたいわ。
涼馬くん、紅茶って淹れられるの?」
「勿論でございます」
「じゃあ、セットを持って来させるから、淹れてちょうだい」
「かしこまりました」
数分後。
紅茶を作るためのワゴンが運ばれてきた。
「どのフレーバーがお好みでございますか?」
「自由で良いわよ。
私、紅茶は基本何でも飲むから」
「かしこまりました」
ワゴンへ向かった涼馬くんは、流れるような手つきで、紅茶を作りだす。
正直言って、私の前の執事よりも上手。
隙がないもの。
「どうぞ」
「ありがとう。
これは何て言う紅茶かしら?」
「ごく普通のミルクティーでございます。
お口に合えばよろしいのですが」