人形
「また、淹れてくれる?」
「由真の望みなら。
いくらでも淹れます」
「ヤッタ!
ねぇ、明日翠子も連れてきて良いかしら?
翠子にも淹れてくれる?」
「由真のご友人ですから」
「ありがと!」
翠子も、私と同じ紅茶好き。
私と一緒に紅茶専門店に遊びに行ったほど。
喜んでくれると良いなー。
「・・・由真は、本当に翠子様がお好きなのですね」
「うん、大好きよ。
勿論、お友達としてね。
翠子は良い子なの。
何度も言ったけどね。
翠子に困ったことがあったら、私が許さないわ」
「友達は人数より、心から信頼しているか、でございますからね」
「そーよー」
私は立ち上がり、明日学校へ行くための準備をした。
そしてメールで翠子に、校門で待つよう言った。
【由真からお願いなんて珍しいねー。
良いよ、校門で待っているね】
返信が来たのを見て、私は涼馬くんを見つめて笑った。
涼馬くんは無表情のまま、私を見て深く頭を下げた。