人形
第2章

現れた王子様





 担任が出て行った途端、クラスのほとんどの女子が、涼馬くんに集まった。



「アタシ、秋間今日子(あきま・きょうこ)っていいまーすっ!
よろしくねぇ!!」



「アタシ吉田奈美(よしだ・なみ)。
涼馬って呼んでも良いかなー?」



 いきなり呼びすて、勇気いりますね。



「別に構わないよ」



「ヤッタァ!よろしくねぇ!」



「よろしく」



 にこっと、王子様のような笑顔を向ける涼馬くん。


 こんな笑顔も出来るんだ・・・。



 少し、悔しいかも。



 私には見せられなかったのかなって・・・。








 まぁ、しょうがないよね。


 私は泉の令嬢で、涼馬くんは執事(見習い)。



 釣り合うわけ、ないよね・・・。







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