人形




 何変なこと教えているのよ。


 涼馬くんは人形じゃないのに。




「じゃあ、少し付き合ってくれる?
行きたいところあるの。
きっと、涼馬くんも気にいるはずよ」



「そうですか。
かしこまりました。

どこに向かうのでございますか?」



「ひとまずお屋敷よ。
行きたいところは、お屋敷にあるんだから」



 数分後、無事何事もなくお屋敷に到着。


 車を降りた私は、車の整備を担当してくれる方に車の車庫入れをお願いして、涼馬くんを



 あの場所へと連れて行くことにした。







 本当はあの場所、私行きたくないの。


 あの事件を思い出してしまうから。


 私が小学生の頃の、あの事件。






 涼馬くんと行けば、きっと大丈夫。


 思い出せぬまま、きっと今日も終わりますわ。





 そして、いつもと同じ朝を迎えるのよ・・・。






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