人形
立っていられなくなって、足の力を抜く。
いとも簡単に足は崩れ、冷たいコンクリートに膝をつく。
「・・・由真?」
「りょっ・・・!?」
「どうされましたか!?
部屋に戻りましょう?」
涼馬くんに支えられたまま、私は部屋に向かう。
エレベーターで下に降り、部屋へ入り、ベッドに腰かけた。
「何かお飲物でもお持ちいたしましょうか?」
「いらない・・・。その代わり・・・・」
「その代わり、なんですか?」
「傍にいて・・・?」
少し驚いた顔をした涼馬くんは、でもしっかり頷いた。
「由真の望む限り、お傍にいましょう」
「ありがと・・・」
私はそのまま、意識を失った。