人形
寂しがりや
☆☆☆
目覚めると、いつの間にか夜になっていた。
まだ目覚めない脳を起こすため、体を起こす。
「涼馬くん・・・?」
完全に開かない瞼を、頑張って上に持ち上げ、周りを見渡す。
「起きましたか?
よく眠れましたか?」
普通、漫画だったらにっこり微笑まれるはずの場面。
でも、彼は少しも笑わない。
口調も、変わらない。
台詞は優しいのに。
「うん・・・眠れたよ。
ごめんね、心配かけて」
不思議な今の場面で、すっかり目覚めた脳と目。
人間目覚まし時計か?
朝の光よりスッキリ起きられるよ?
「由真は何も心配しないでください。
わたくしは見習いですが、現在は由真の執事。
由真が心配することはなにもありませんよ」
突き放された感じが、少し寂しいかも?