初恋至難
「いってぇ……」
「一也が起きないのが悪いんでしょー?」
一也はベッドの上であぐらをかきながら、
私の事を睨んてきた。
まあ、これも毎日のことなんだよね……
「あのさ、ゆず」
「ん?」
ちょっと真剣な顔をしてこっちを見るので、真面目に聞き返した。
「そんな薄着してたら襲っちゃうよ?」
「は!?」
私の今の格好は白いTシャツにタオル生地のショートパンツ。
ちなみにノーブラ。
でも、ちゃんとTシャツの下にはキャミソールを付けている。
「な、なによ!別に私には死んでも欲情しないんじゃないの!?」
意地を張って墓穴を掘った。
「へぇ〜、ふーん……」
そんなことを言いながら立ち上がって、私の正面に立ち、頭を撫でてきた。
「ほんとこっちくんな!」
とか言いながら、私の心拍数は最大まで上がっていて、多分今顔が真っ赤だ。
「まあ、欲情しないとは言ったけど、目の前に美味しそうな物あったら食べたくなっちゃうよねー?」
そう言って一也は私の顎に手を添えてきた。
「べつに、なんないし!」
私のそんな抵抗も無いに等しくて。
顔を上に上げられる。
そうしたら、私のおでこに一也の唇が触れた。
今日だけ、一也の言った通りにならなかった。