初恋至難
「ゆずーー」
私の名前を呼び、紙をピラピラさせてこっちを見てくんのは隣の席の幼馴染みだった。
「なに」
精一杯睨みつけて言う。
わざわざ紙を見せてくるのだって、私を馬鹿にするためでしょ?
「テストどうだった?」
「……………」
本当に嫌な幼馴染み。
やっぱりわざわざ自慢しに来たんですね。
一也は自分の髪の毛をワシャワシャしながら近づいてきた。
「だから俺の部屋で勉強しよって言ったのにー」
「一也の部屋で二人きりになるなんて絶対にやだ」
一也は頭が良い。
でも、ずっと一緒にいた幼馴染みに教えられるっていうのも悔しくてテストの度に断り続けてる。
「大丈夫大丈夫、俺、死んでもゆずには欲情しないから。」
そう言って一也は笑った。
一瞬息が止まる。
「変態」
「今時の男子高校生はこんなもんです」
「あっそ」
私は席をたった。
なんで
なんでこんなやつが好きなんだろう。