初恋至難
茉実さんと喋りながらご飯を食べてると、眠そうな顔をした一也が階段から降りてきた。
「ん、うまそ。腹へった」
一也がニッと笑った
こんな一也を見てたら忘れそうになるけど、中学のときの一也はやばかったんだよね。
中学入学したばっかの時から色んな女子と付き合ってた。
凄いショックだった。
一也は中学入学してから、なんか変わったんだ。
けっこう悪そうなグループとも仲良くしてて、タバコを吸ってた一也を見たときは信じられなかった。
その時は一也と話すことが出来なかった。
私が一也の事を避けてたから。
怖かった。
だから、入学式の日に「一緒に行こ」って家に来た時は本当にビックリした。
さっきも言ったけど、本当に前の一也と変わった
今の一也見たら全然想像できないけどねー…
「ごちそうさま」
気づいたら既に一也は食べ終わっていた。
「はや……」
「育ち盛りですから」
それにしても、早すぎじゃないか?
どんな胃袋をしてんのかが気になる。
玄関からガチャと音がした。
そこには、抜け殻のような顔をしたお父さんがいた。
「え、どうしたの?……」
私がそう問いかけたら、
「ごめん 」
と一言だけ言われた。