私が好きなのはキミだけだから。



「え………な、棗?」



「んー?」



抱きしめている身体が固まっている


緊張してんのかな(笑)




「いや、えっと、その……」


「どーした?」






「…………私、不安なの。大翔がいなくなって、それからずっと寂しくて。もし棗までいなくなったら、私………」




だんだんめいの声が震えていく


大翔さんがいなくなってから、いつも不安だったのか……


周りの人がいなくなってしまいそうで


その不安を1人で抱え込んで



そして、恋にも臆病になって





「俺は………お前の前からいなくなったりしないから」


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