私が好きなのはキミだけだから。



浜辺でめいの後ろ姿を見たとき、柄にもなく緊張した


2年前は、当たり前のように隣にいた存在なのに……




「めい」


久しぶりに呼んだ名前

ずっと呼びたかった名前



「ひろ、と………」


めいに名前を呼ばれるだけで鼓動が速くなる



「2年前のこと、なんだけどさ………」


そう言った瞬間、めいの表情がこわばったのがわかった


でも、それは本当に一瞬だけ

彼女の瞳は、強い意思を持っているように見えた



あぁ、めいは乗り越えたんだ

自分の気持ちに区切りをつけて、前に進んでいるんだ

もう手遅れかもしれない

だけど、今からでも全てを話そう



もういちど、彼女の隣に立つために………


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