私が好きなのはキミだけだから。
すると、突然棗が私の手を取って棗の胸に当てた
意味がわからなくて棗の顔を見ると、優しい表情で私をみていた
「俺の心臓の動き、感じて?」
心臓の動き……?
手のひらに神経を集中させる
「…………あ」
…………私と同じくらい速い
「俺さ、めいが大翔さんのところへ行くって言ったとき、本当は行かせたくなかったんだ。てっきり大翔さんとヨリを戻すもんだと思ってたからさ」
「どうして?」
たとえ私がまだヒロ兄のことを好きだったとしても、ヒロ兄が私のことを好きかどうかなんてわかんないでしょ?
「空港であったときの、大翔さんのめいを見る目を見ればわかるよ。めいのことが好きなんだっていやでもわかった」