私が好きなのはキミだけだから。


だから大翔さんの前で手をつないだんだって言われて、私は空港でヒロ兄に会ったときのことを思い出した


そういえば、ヒロ兄の前で棗の手を離しちゃったんだ……



「あの………空港では、手離したりしてごめんなさい。あのときは、まだ棗のことが好きって気づいてなかったっていうか……」


心のどこかで、ヒロ兄を好きでいなくちゃいけないっていう気持ちがあったんだと思う


今思うと、棗に対してすごく失礼なことしちゃったよね



すると、棗が「おいで」と言って腕を広げた


え、自分から抱きつけってこと!?


嘘でしょ………恥ずかしすぎる!


そう思っていても、棗の温もりが欲しくなってしまう


私はおずおずと棗の腕の中に身を委ねた


すると、棗が満足そうに笑った



「めいが謝ることじゃねーよ。今、めいが俺の隣にいてくれるだけで十分だから」



抱きしめられてるだけでも心臓がバクバクしてるのに、耳元でそんなこと言われたら………



「めい、また顔真っ赤」


「もう!棗のせいなんだからね!」


「なんで?俺、なんかした?」



絶対分かってるくせに


その証拠に顔がニヤついている


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