私が好きなのはキミだけだから。
距離
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「ほら、早く棗くんに声かけなよ。もう夏休みに入るんだから、早く解決しちゃった方が楽だよ?」
「うん…………」
あの日から一週間経った日の朝、棗と話そうとしない私を見かねて梨花に言われてしまった
信じると決心したにも関わらず、あの日は教室に戻ってから棗を避け続けた
それからも、朝は一緒に行けないとだけ連絡を入れ、帰りは速攻で帰っていた。なるべく棗と関わらないように……
やっぱり、棗の顔を見ると"あのこと"を思い出してしまうから
心がきゅうって締め付けられて、泣きたくなる
今も、席にいると棗のことをどうしても意識しちゃうから、梨花と一緒に廊下にいる
「はあ………。まだ棗くんのこと疑ってるの?」
「ち、違うよ!ただ、なんか緊張しちゃうといいますか………」
だんだん梨花の眉間にシワがよっていく
お、怒らないで……!
っと思ったら、梨花は諦めたようにため息をついた
「昼休みには頑張んなよ」
"もう一週間も経つんだし"
そう言って、エールをくれた
昼休み…………
いつもは楽しみな時間が、今は鉛のように重たく感じる