私が好きなのはキミだけだから。
夏休み
それからしばらくして夏休みに入った
あの日から棗とは話すことはもちろん、目すら合わせていない
瞬く間に私と棗が別れたという噂は広がり、梨花には「何があったの?」と聞かれたけど、私は何も言わなかった
………いや、言えなかったんだ
言ってしまえば、あの事実を嫌でも受け止めなけれいけないから
だから、このタイミングでよかったのかもしれない
夏休みだったら学校で棗に会うこともないから………
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7月がもうすぐ終わるという頃
私は特に予定もなく家で宿題をしていた
何かしていないと棗のことを思い出してしまうから、最近は勉強するか遊びに行くかのどちらかしかしていない気がする
すると突然、机の上に置いておいたスマホが鳴った
誰だろう……?
今日は誰とも予定がなかったはず……
どきんと胸がなる
恐る恐る画面をタップすると、画面に表示された名前は
"梨花"
その瞬間、張っていた気が一気に緩んだ
そうよ、何期待なんかしてるんだろう
"彼"の名前がこの画面に表示されることは、きっともうない