私が好きなのはキミだけだから。



「もしもし?」


気を取り直して梨花からの着信に出る



「もしもし、めい?明日の花火大会、一緒に行こうよ!」



花火大会………


カレンダーを確認すると、その日には"棗と花火大会"という文字


前、棗と一緒に行こうって言ってたんだっけ………



「…………めい?」



「ん?ああ、ごめんごめん。私も行きたいなって思ってたの!」



寂しさを打ち消すように、明るい声で言うと、電話の向こうで「めい……」と苦しそうな梨花の声が聞こえた


私はそんな声を打ち消すように、「4時に学校の近くの駅でいい?」と問いかけた



「………うん、わかった。明日の4時ね」


梨花は私の気持ちを察したのか、それ以上何も言わなかった


それから、「またね」と言って電話を切り、お母さんに浴衣を着せてもらう約束をした




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