私が好きなのはキミだけだから。



綿あめのお店を見つけると、「おじさん、綿あめ1つ」と言って入江くんが注文してくれた



「こりゃ美男美女のカップルさんだね〜」


カップルって………


商売のための決まり文句だとわかってはいても、ちょっと照れてしまう


それは入江くんも同じみたいで、少し顔を赤くしていた


「いや、俺たちカップルじゃ………」


「照れんなって〜。まけといてやるからよ」



「ほらよ」と言って、おじさんはできたての綿あめを渡してくれた


うわぁ………ふわふわで美味しそう!



すると、入江くんが「これで」と言って財布からお金を出そうとした


「え、入江くん!?」


「これくらい自分で払うよ」と言っても、「いいから」と強引に押し切られてしまった



「ごめんね、払ってもらっちゃって……」


「全然。俺がそうしたかっただけだし」


そう言って、入江くんは私に爽やかな笑顔を向けた




それからいろんなお店を見て回った



「上原さん、射的上手いね」


「へへっ。昔お兄ちゃんに教えてもらったことがあるんだ」


ヒロ兄がお祭りでやってるのを見て、どうしてもやりたかったからコツとか教えてもらったんだよね




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