私が好きなのはキミだけだから。
「あ、そろそろ花火始まるんじゃない?」
入江くんにそう言われて時計を見ると、花火が始まる15分前だった
「ほんとだ。じゃあ行こっか」
「俺、穴場知ってるんだよね」と言って、私の手を引いて歩き出した
「ここなんだけど………」
連れてこられた場所は、本当に人が少なくて花火がよく見えそうだった
「すごい!よくこんなところ知ってるね」
この花火大会には何回も来てるのに、こんなにいい場所があるなんて全然知らなかった
見晴らしの良さに感動していると、入江くんがゆっくりと口を開いた
「あの………さ」
「ん?」
どうしたんだろう……?
いつもに増して真剣で、緊張したような表情の入江くん