私が好きなのはキミだけだから。



謝らなきゃいけないのは俺の方だ


上原さんが傷ついているのを見たくなかったのは本当だけど、そこに下心が全くなかったのかと聞かれれば、俺はNOと答えるだろう



それに………



「あいつ……、日向と一緒にいたやつ。多分、俺の幼馴染なんだ」



案の定、彼女は目を丸くして「えっ………」と呟いた



「名前は牧野 陽子。俺の幼馴染で、クラスは俺らの隣」



まさか陽子が日向のことを好きだとは思わなかったから、俺自身も驚いているんだけど………


そんな話一度と聞いたことなかったし



「俺からも陽子に聞いてみるよ」


「そんな……申し訳ないよ。私と棗の問題だもん」



"入江くんを巻き込むわけにはいかないよ"という言葉が、俺は部外者だと言っているようで、



「好きなんだ、上原さんのことが」



この言葉は意外にもすんなりと俺の口から出てきた




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