私が好きなのはキミだけだから。
すがるような思いで返事を待つと、「やっぱりね」という声が返ってきた
やっぱりねって……?
「そろそろピンチなんじゃないかなーとは思ってたんだ。夏休み入る前から様子おかしかったし」
"入江ともなんかあったんじゃないの?"と、私が聞いてほしかったことを全て言い当ててしまった
「なんでそんなに分かっちゃうの?もしかして……「超能力者ではないから安心して」
ほら、またまた私が言いたいこと分かってるじゃん
「ふふっ。梨花ってほんといい親友だね」
照れるからたまにしか言わないけどね
すると、「もう………」と呆れたような返事
照れ隠しなのはバレバレだよ
「で、話したいことがあるんでしょ?」
「………うん」
急に真剣なトーンに変わるから、今まで笑っていた私も深呼吸して、ここ一ヶ月ほどの記憶を遡った
ーーーーーーーー
「2人の様子がおかしいとは思ってたけど、まさか距離を置いてたとはね……」
この夏休みのことを話すと、納得したように梨花が呟いた
「で、めいとしてはその間に棗くんが他の女に取られるんじゃないかって不安なんだよね?」
図星を突かれて「う、うん……」と返事をする
自分勝手だっていうのは分かってる
でも、あの笑顔を他の女の子に向けてる棗を想像すると、胸が苦しくなっちゃうんだ