私が好きなのはキミだけだから。
それからと言うもの、廊下を歩くと
「あの人が棗くんの彼女だよね?」
「棗先輩の彼女ってあの先輩らしいよ」
なんて言われ続けた。
同学年が噂するのはまだ分かるけど、先輩や後輩にまで言われるなんて……
棗って、ほんとに学校の有名人なんだな
安心して廊下も歩けないわよ!
「疲れた……」
「めいー、大丈夫?」
昼放課に自分の席で机につっぷしていると、梨花が心配して声をかけてくれた。
最初、棗が恋人宣言したときはなんで言ってくれなかったの?って怒られたけど、めいが幸せならそれでいいって言ってくれた。
でも、優しくされればされるほど騙していることが申し訳なくなる……。