潮にのってきた彼女
「4ヶ月、か……」


改めて、時の流れの速さを思う。

4ヶ月前、不安な感情の一番の原因は新しい学校だった。

今通っているのは家から3kmの入江高等学校。
1学年2クラスで全校生徒数がやっと100人の学校。それでも随分多い方だ。
しかしそんな環境で、生徒たちが学年を超えて仲のいいことは簡単に予想できた。


予想は的中し、俺は初めクラスの中でやっぱり浮いていたと思う。
出身が都会というのも関係していたのかもしれない。


しかし1人の男子に声をかけられたのをきっかけに、俺は少しずつクラスに溶け込んでいった。
今では転校生だったのが嘘のようと言われるほど。


その男子、朔也(さくや)には本当に感謝している。
今では朔也を含めた仲のいい3人と行動していて、楽しい学校生活が送れていると思う。


友達どころか都会からの転校生として敬遠されていた俺には、彼女までができていた、のだが。

その「彼女」である夏帆(かほ)と数日間連絡をとっていない。
< 8 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop