あの頃のキミはもういない
「さ!行くよ!」
「ちょ、ゆ、結衣……!」
放課後。
終礼が終わると同時に私は結衣に腕を引っ張られ、教室を出た。
それから駅に着いて、切符を買い私達は電車に乗り、人が多い都会にやって来た。
正直こういう所は苦手。
私は結衣に連れられて、お洒落な服屋さんに。
「うわぁ……」
私には縁のないようなお洒落なお店だった。
「ねぇねぇお兄ちゃん!この子に合うような水着、どれ?」
ん?
お兄ちゃん?
「おぉー結衣ー。んーこの子だとーこれかな?」
男の人が差し出してきたのは1つのビキニだった。
「あ、良いかも!愛奈!これ着てみて!試着試着!」
「え、え?」
結衣に押されて試着室に入った。
ビキニを着て試着室の中の鏡を見てみた。
お腹は出てるし下は下着みたいな履き物。
正直恥ずかしい。
「愛奈ー?着れたー?」
「あ、うん」
恐る恐るカーテンを開く。
「カワイイじゃん!」
結衣が絶賛してくれた。
「お兄ちゃん!これ、いくら?」
「タダでやるよ。妹の友達だしな」
「わーい!さっすがお兄ちゃん!」
結衣が男の人に抱き着く。
お兄ちゃんて……
この2人、どういう関係なのぉ!?