あの頃のキミはもういない
放課後。

「雅也!行こうぜ!時間ねぇ!」

俺は腕を引っ張られ、教室を出た。


てか時間って……
こいつの家、門限厳しいのか?


「おい。何でここまで来たんだ?」

俺達が今いるのは人が山ほどいる大都会。


「良いから良いから」

不敵な笑みを浮かべて、歩くそいつ。

そういえばこいつの名前何だったっけ。
どうでも良いから忘れた。


「よし!着いた!間に合った!」

着いたのは何かのステージがある広場。
もちろんここも人が多かった。


「はーい。皆、元気ですかー?」

「はーい!!」

フリフリのスカートを着た女に皆が答える。
もちろん俺の横にいる奴も。

そういうことか。
暇潰しってのは単なる口実で、こいつを見るためだったのか。

そういえばテレビ出てたな。
何か忘れたけど、何かのアイドルグループのメンバーの1人だった気がする。
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