あの頃のキミはもういない
「へぇ……そんな事言って良いの?」

「は?」

何言ってんだ?こいつ。

パチンッ

女が指を鳴らすと


「っ……」

体のごつい男が10人ぐらい部屋に入ってきた。


「そんな事言ってるとあんたの大事なあの女酷い目にあわせちゃうよ?それでも良いわけ?クスッ」

女は笑いながら言った。

さっきまでのぶりっ子はどこにいったんだよ。


「酷い目って何だ?」

鋭い目つきで、女を見ながら言った。

「ああ言えばこう言う。痛い目見ないと分からないみたいね」

女がそう言うと、体のごつい男達が俺に近づき

「うっ……!」

いきなり俺の腹を殴った。

その後も俺は殴られ続け……


気づけば俺の体はボロボロだった。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


「あんたは私の言うことを聞いとけば良いの。分かった?」

女はボロボロで倒れた俺の髪の毛を掴み、言った。


「ふっ……お前なんかの……婚約者になってたまるかよ……。俺には……守りたい奴がいるんだ……。お前なんかに……構ってらんねぇよ……」

息も絶え絶え、意識も遠退きそうな中で俺は言った。


「っ!てめぇ!」

「ぐっ!」

こいつはこんなに弱ってる俺にまだ腹パンをかますのかよ。


「そんなに醜い顔してっと……モテなくなっちまうぞ?クスッ」

多分、俺は今笑っても顔がひきつってると思う。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「何であいつなんだよ!大して可愛くねぇじゃねぇか!あんな奴よりあたしのほうが「見た目じゃねぇよ」


掠れそうな小さな声で、俺は女の言葉を遮った。


「は?」

「確かに愛奈は飛び抜いて可愛いってわけじゃねぇ」

「じゃあ何で……!」

「でも、愛奈は誰にでも優しいんだ。そして努力家。俺が冷たくしてもあいつはひかなかった。お前にそんな事出来るか?」

「っ……」

女は苦虫を噛み潰したようなそんな顔をした。


「愛奈には……頼むから何もしないでくれ……」

「っ……。ホントにあの女が大事なのね」

「あぁ。俺の初恋の相手だからな」

「……そっか。初恋には……勝てないよ。私……あの子と友達になれるかな……?」


「クスッあぁ。きっと、いや絶対なってくれるよ、あいつなら」

「……うん。雅也……佐川くん、こんな目にあわせて……ごめん」

「分かりゃ良いんだよ(笑)」


少し……この女の好感度あがったな。
ほんのちょっとだけだけど(笑)
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