あの頃のキミはもういない
愛奈said

私は結衣と雅也君と屋上でお弁当を食べていた。


「ふぁぁぁあ」

雅也君が眠たそうに欠伸をした。

そういえば今日ずっと授業中もこんな感じだったな。

寝てないのかな?

「雅也君、もしかして寝てないの?」

「え、何で?」

「だって、ずっと眠たそうだから」

「あぁ。昨日夜中の2時まで起きてたからな。多分寝不足」

「そ、そんな時間まで何してたわけ!?」

に、2時ってそんな時間まで何してたの!?

「っ……べ、別に」

「??」

雅也君、なんか顔赤い……?
何で?

「フフフホント分かりやすいクスッ」

何?
何で結衣そんな笑ってるの!?


その時―――

プルルル……

雅也君の携帯に電話がかかってきた。


「あぁ。うん。分かってる」

誰からだろ。

「はぁ!?」

!?

急に雅也君が大声を上げるから、ビックリしてしまった。


「あ!おい待て!!くそっ!」

何……?
どうしたの……?


雅也君は今まで見たこともないくらいの怒りに満ちた顔をしている。

こ、怖い……
こんなに怒ってる雅也君、見たことない。


「雅也君。ど、どうしたの?」

私は恐る恐る聞いた。


「え、あ、あぁ。何でもねぇよ。ちょっと急用出来たから行ってくる!」

「雅也君!」

嘘。
なにか隠してる。

何で隠すの?


どうして……どうしてあんなに怒った顔してたのに、何でもないなんて言うの?



なんだか……嫌な予感がしてならなかった。
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