あの頃のキミはもういない
雅也said

「どういう事だよ!?婚約の話はなしになったはずだろうが!!」

俺は今くそ親父に怒鳴り中。


さっきの電話はくそ親父からで、明日の夜、婚約の相手と食事会があるって言っていた。


婚約の話はなしになったはずなのに、何で今更って思って、今親父の会社の社長室に怒鳴り込んでいるってわけだ。


「新しい婚約者だ。写真があるから見せよう」

「いらねぇよ!婚約する気なんてさらさらねぇ!親父の会社の為だけに売られてたまるかよ!」

「そんなこと言って良いと思ってるのか?」

くそ親父の顔が醜く笑う。


「あ?」

俺は思いっきり睨んでやった。


「お前の愛しい女、愛奈とか言ったか?その子がどうなっても良いのか?」

こ、こいつ……!

「てめぇ……愛奈に何をするつもりだ!」

「お前が婚約を認めればその子には何もしない」

どこまでも汚ぇ野郎だぜ!!


「愛奈ちゃんの事を考えるなら、婚約を認めたほうが良いと思うがな」

「っ……てめぇ……」

「自分の気持ちを選ぶか、愛奈ちゃんを選ぶか。よく考えろ」

「っ……」


くそ野郎。

マジ死にやがれ。


でもあいつの目本気だった。

俺がもし婚約を拒否したら、愛奈に何をするか分からない。


でもまた辛い思いをさせる。



こうなったら……

戦ってやる。

あのくそ親父と戦って、絶対勝ってやる!!
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