あの頃のキミはもういない
雅也said

「そうか」

親父の珍しく、悔しそうな表情。


「……雅也。傍にいてやれ」

「!?」

親父の以外な言葉に俺は驚きを隠せなかった。


「お、親父……」

「雅也がこの娘を好きなのは分かった。愛奈ちゃんが雅也を好きなのも分かった。2人の気持ちが合っている以上、逆らう事は出来ない」

「親父……」

はじめて、親父の言葉で泣きそうになった。


「ただし。何か揉め事があればすぐに婚約させる。良いな?」


「親父……揉め事なんか起こさねぇよ!」

少し泣きそうになりながら俺は言った。
声が少し震えてるかも。


「じゃ、まぁ2人でゆっくりやれ」

少し笑いながら親父は家の奥に引っ込んだ。

人の性格ってなかなか変わんねぇもんだな。
< 57 / 60 >

この作品をシェア

pagetop