シンデレラを捕まえて
「さっきは、邪魔しちゃいけないと思ったから帰ったけど、諦めたわけじゃないの。
……もちろん、穂波くんが私ではなく優真さんを好きになったと言ったときは、別だけど」
「じゃあ、そうなりますから! その時は身を引いて下さいね!」
「わかった」
優真さんは私を強く睨むと、バイクに乗って去っていった。その方向を見ると、工房へ戻っていっているのかもしれない。
その姿が見えなくなるまで見送ってから、私は肩でため息をついた。
半分は、強がりだ。
優真さんの言葉は、真実には違いない。私には出来ないことも、彼女なら出来る。穂波くんの仕事の支えになれるのだろう。穂波くんがそういう女性を求めているのだとしたら、私は彼女に到底敵わない。
それがショックじゃないかと言われたら、すごくショックだ。
だっていつでも、一番の支えでありたいと思う。それがいくら、自分に難しい事であっても。だから、私にはないものを持っている優真さんの存在は、脅威に他ならない。
私を支える少しだけの自信は、彼から貰った言葉だけだ。
「信じてていい、よね?」
小さく呟く。宝物のような言葉たちを繰り返し思い出しながら。
……もちろん、穂波くんが私ではなく優真さんを好きになったと言ったときは、別だけど」
「じゃあ、そうなりますから! その時は身を引いて下さいね!」
「わかった」
優真さんは私を強く睨むと、バイクに乗って去っていった。その方向を見ると、工房へ戻っていっているのかもしれない。
その姿が見えなくなるまで見送ってから、私は肩でため息をついた。
半分は、強がりだ。
優真さんの言葉は、真実には違いない。私には出来ないことも、彼女なら出来る。穂波くんの仕事の支えになれるのだろう。穂波くんがそういう女性を求めているのだとしたら、私は彼女に到底敵わない。
それがショックじゃないかと言われたら、すごくショックだ。
だっていつでも、一番の支えでありたいと思う。それがいくら、自分に難しい事であっても。だから、私にはないものを持っている優真さんの存在は、脅威に他ならない。
私を支える少しだけの自信は、彼から貰った言葉だけだ。
「信じてていい、よね?」
小さく呟く。宝物のような言葉たちを繰り返し思い出しながら。