桜咲く


桜が満開に咲き

江戸の町が賑わう中

ある一人の町娘が江戸大奥へと

足を踏み入れた。


「なにぼさっとしてるんだい!」


「あっ!すみません・・・」


「まったく・・・」


この町娘の名は「お栄」

まずしい家のために

江戸大奥へとやってきたのだ。


「いいかい今日からあんたの名前はお栄じゃなくて
御末だからね!」


「あ・・・はい!」


(御末 大奥の雑用を一切を受け持つ下女)


「下女だからってたるんでたら
容赦しないからね!覚えときな!」


「わかりました。」


お栄は仕事に対しての不安はなかった

しかし自分の身分が低いうえに

ここで生きていけるかが

なによりの不安だった・・・


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