桜咲く
「御末、今日からあんたに仕事を教えてくれる
お町だ」
「あ・・・よろしくお願いします。」
お栄は深々と頭を下げた。
「じゃあ後は頼んだよ」
そう言い残すとそそくさと
去って行った
「あなた名前は?」
「あっ・・・お栄です」
お栄はそう言うと
お町の顔をじっと見つめた
「うん?顔になにかついてる?」
「あっ!ごめんなさい
綺麗な方だなって・・・」
するとお町は
クスクス笑いながら
「ごめんなさい
久々に褒められたものだから・・・」
「でも綺麗でも仕事ができても
ここでは身分がすべて・・・
私たちのように家柄が貧しいと
何年ここにいようが変わらないの」
お町は笑顔でそう言ったが
どこか哀しそうな笑顔だと
お栄はそう思った。
「わ・私がんばります!」
お栄は笑顔でそう言うと
「そうね!お互いにがんばりましょ!」