続・ドキドキ
駅の入口の隅に修ちゃんがいつも持ってるエナメルバッグ下げた人がいた。

うん、アレは絶対修ちゃん。

あのキーホルダー、アメリカのバスケットチームので、日本じゃ売ってないって言ってたもん。


でもね、そのバッグ下げた修ちゃんに抱きついてる女の人がいたんだ。


修ちゃんはその女の人の頭を優しく撫でてる。


だから先に帰ってって言ったの?


誰・・・・?

なんで?


頭がパニック。



幸せだと思ってたのは私だけ・・?




見間違いであってほしくて、でも、私が修ちゃん見間違えるはずもなくて・・・


だって、1年も片思いしてたんだよ・・・?



ずっとずっと修ちゃんの姿を遠くから見てた。



どんなに遠くても、わかる。


仕草とか、立ち方とか、歩き方とか・・・全部。



どんなに人混みにいたって、見つける自信がある。



だから、どんなに考えたって、あれは修ちゃんだった。








これ以上見ていたくない私はその場から走り出してしまった。




まぼろしだよ。



絶対・・・・



修ちゃんがそんなこと・・・・




そう言い聞かせる。





でも・・・



私、好きって言ってもらったことない。



キスより先は・・



愛されてる実感なんてない。




両思いなんて、なれてない。



きっと、私はずっと、片思いなんだ・・・・






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