氷姫[未完]
「お前は、冷たすぎだな」
そんなの、知ってる。
私の体が、人間とは思えないほど冷たいこと。
「触らなければ、良いでしょ」
「いや、俺は冷たいの好きだからな。俺の体は、熱いからちょうどいい」
今まで、無表情だったくせに
急に笑うから、一瞬ドキッとした。
やっぱり、変わった人だなぁ…。
「それより、質問に答えたら?」
「お前もな!まぁ、先に答えてやる」
いちいち、上から目線だなぁ…。
さっきの笑顔のまま、いればいいのに
また、無表情に戻ってしまった。
「噂で、氷姫のことを知ったんだが…漣からも聞いていてな、一度会いたかったんだ」
「あんたは、漣の何を知ってるの?」
さっきまで、またがったまま動かなかった
なのに
急に動いたからびっくりした。
片手で、私の両腕を上に持っていき押さえつけた。
そして
反対の手は、太ももに触れ
顔は、耳元に
「ちょっと、ふざけないで」
ひっしに逃げようとするが、腕はびくともしない
足も片手で封じられてしまっている。