氷姫[未完]




「お前は、冷たすぎだな」


そんなの、知ってる。


私の体が、人間とは思えないほど冷たいこと。



「触らなければ、良いでしょ」



「いや、俺は冷たいの好きだからな。俺の体は、熱いからちょうどいい」


今まで、無表情だったくせに



急に笑うから、一瞬ドキッとした。



やっぱり、変わった人だなぁ…。


「それより、質問に答えたら?」




「お前もな!まぁ、先に答えてやる」



いちいち、上から目線だなぁ…。



さっきの笑顔のまま、いればいいのに



また、無表情に戻ってしまった。



「噂で、氷姫のことを知ったんだが…漣からも聞いていてな、一度会いたかったんだ」




「あんたは、漣の何を知ってるの?」




さっきまで、またがったまま動かなかった


なのに



急に動いたからびっくりした。





片手で、私の両腕を上に持っていき押さえつけた。



そして



反対の手は、太ももに触れ



顔は、耳元に





「ちょっと、ふざけないで」


ひっしに逃げようとするが、腕はびくともしない



足も片手で封じられてしまっている。





< 26 / 40 >

この作品をシェア

pagetop