【完】ポーカーフェイスがお得意で
絡まった糸をほどこうよ
「俺さぁ。」
帰り道、急に話し出す上田さん。
「なんでさっきあんなこと言ったか分かる?」
「あんなこと...?」
わけがわからなくて上田さんの顔を見る。
「もー覚えてないの!?
さっき、別な方法で返してねって言ったじゃん。
やっぱ柚愛ちゃんって他の子とは違うよなぁ。
ま、そこがいいんだけど。」
「そーですか?
それはどうも。」
「だからね、
そーゆー意味じゃないの。」
立ち止まって真剣に見てくる。
「どうしました?」
「柚愛ちゃんはね、わかってないよ。」
目線を私に合わせて腰を屈める上田さん。
なんだか...
安心してしまうのは私だけだろうか。
全てを正直に話してしまいたくなるのは
私だけなんだろうか。
私、こんなに弱かったっけ。