ありがとう。さようなら
ぐしゃぐしゃになった顔を整え、
濡れた服の袖を隠しながら、
病室の戸を開ける。
「絢斗・・・・遅かったね?どうしたの?」
「うん。大丈夫だよ。」
偽笑顔をして、ごまかしている・・・・つもりだが・・・・・
ばれてさえなければ良い。
俺が泣いて居たことが分からなければ良い。
「本当に?大丈夫?」
「うん。それよりさ」
すっと話しを変え1人で話し出した俺を見て、芹奈は疑いの眼差しを向けてきた。