ありがとう。さようなら


ぐしゃぐしゃになった顔を整え、


濡れた服の袖を隠しながら、


病室の戸を開ける。


「絢斗・・・・遅かったね?どうしたの?」

「うん。大丈夫だよ。」


偽笑顔をして、ごまかしている・・・・つもりだが・・・・・

ばれてさえなければ良い。
俺が泣いて居たことが分からなければ良い。


「本当に?大丈夫?」


「うん。それよりさ」


すっと話しを変え1人で話し出した俺を見て、芹奈は疑いの眼差しを向けてきた。


< 64 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop