【完】グリム童話〜隠されたストーリー〜
「あ、帰らなきゃっ」

私は踊っている最中に城を飛び出した。

それを当たり前のように男の人は追って来る。

「待ってください!」
後ろから私を引き止める声が聞こえる。

でも、止まる訳にはいかない。

ごめんなさい。私には時間がないの。

私は全力で階段を降りた。

その時にガラスの靴が片方脱げてしまった。でも、戻る時間はない。

私はそのまま走り去った。

ガラスの靴を片方だけ残して…


「はぁ…はぁ…ここまで来れば大丈夫かしら…」

私は森の中にいた。
森の中を必死に走ったせいか、髪の毛も服もボロボロだった。
綺麗なのは残された片方のガラスの靴だけ。

「この靴は消えないのね…」
私は少し嬉しかった。

パーティーに行った証があることが。
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