ひなたぼっこ~先生の、隣~ 【先生の休日】
後部座席から安川の寝息が聞こえる。
爆睡中なのか、たまに寝言まで聞こえてくる。
「先生、運転疲れませんか?」
「あ?いや・・・大丈夫」
「せっかくの休日だったのに、逆に疲れちゃったんじゃないんですか?」
「まぁ、色んな意味で・・・」
「色んな意味?」
「なんでもない。それより妹尾こそ、熱出てろくに楽しめなかっただろ?」
「まぁ、はい。いつ別荘に着いたのかも記憶にないですし・・・」
ん・・・?記憶にない?
「どっからどこまで?」
「別荘に着いたときから、今日の朝までの記憶がさっぱり」
「・・・」
「朝目が覚めたら、先生が隣にいてちょっとびっくりしちゃいました」
じゃあ、昨日の妹尾は何だったんだ?
熱で錯乱してただけ?
どうりで、いつもの妹尾と違ったわけだー・・・