ひなたぼっこ~先生の、隣~ 【先生の休日】
車内に声が響いた。
「・・・安川、起きてたのか?」
バックミラーで後部座席を見ると、安川が目をパッチリ開け興奮している。
妹尾は・・・起きてないのかー・・・
「やっぱ、卒業したら泰葉と結婚するの!?」
運転席のイスをグラグラ揺らしながら聞いてくる。
「危ないって・・・」
「ねぇ!結婚するの!?」
「・・・さぁ?」
「誤魔化さないで!!」
「わかんないよ」
妹尾が何したいとか聞いたことないし、進路調査では進学と書いてあったから大学は出たいんだと思う。
俺はもう30近いから、結婚を意識したりもするがー・・・妹尾はまだ17歳。卒業時には18歳。
結婚なんかまだ考えていないんだろうなー・・・
俺も、18歳のとき結婚なんて考えなかったからな。
「あ、先生。次のとこを右に曲がってください」
「あ、あぁ・・・」
立川に言われた通り右に曲がると、真っ正面に大きな建物が見えた。
まさかー・・・
「あれが、うちの別荘です」
「えー!!?すご!!泰葉、着いたよ!起きて!」
別荘というか、ホテルのような作りで3階建て。
同じ先生が就く職業でも、こんなに差があるとはー・・・