仮
すると、杏は何か閃いたように立ち上がり、あっさりと解決策を提案してくれた。
「あのさ!直接先輩に聞いてみればいいんじゃないかな?」
「え?」
あまりに単純な解決方法に、思わず聞き返してしまった。
しかし、それが1番手っ取り早い解決策な気がする。
「クラブ紹介終わったら、聞いてみよ!決まりね!」
杏が有無を言わさぬ口調でいう。
なんだか張り切りすぎな気もするが、頼もしい限りだ。
「杏に話して良かった」
私がぽつりと言う。
すると杏は嬉しそうに言った。
「かんなの為なら、なんでもするから任せて!」
「ありがと」
「いーのいーの。じゃ、中に戻ろ!」
既に立ち上がっている杏が、座っている私に手を差し延べる。
私はその手をしっかりと握り、立ち上がったのだった。