MOONLIGHT



「やっぱりな。」


クスクス笑いながら、タバコをふかす神田先輩。


「何がやっぱりな、何ですか?」

「いや、お前をこの病院にさそった一番の理由は、きっとそう言うだろうなと思ったからだ。」

「え?」

「ふつう、T大卒業のエリート医師がこんな偏差値の低い大学そういうふうには、思わないだろ。お前はそういうことで、物事を判断しないやつだ。」


何だか、誉められてるのだろうか。

やけに照れくさい。


「照れんなよ。」

「!!照れてないです。」


恥ずかしいので、否定をしておくが、ハイハイとかわされた。

そうこうしているうちに、ハムカツ定食が運ばれてきた。

え?

私注文してないけど?

と、思っていたら。


「俺、いつもこの店では、このハムカツ定食を頼むんだ。」


知らないよ。

てゆうか、何で私までハムカツなんだ?

と、横の学生を見たら、鯖定食をたべてる。


「鯖定食がよかった…。」


思わずそう呟くと。


「鯖定食は五百円、ハムカツは、398円だ。」


はあ…そんな事だろうと思ってた。


「で、質問って?」


私は、慌てて大畑先生に提出するレポート案を出して、迷っている箇所を聞き始めた。

すると、全部貸せ、と言って、結局見てもらうことになった。

相変わらず、的確だ。


まあ、これならハムカツで許してやろう。





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