MOONLIGHT



「点滴する前に、妊娠検査一応した方がいいと思う。余計なお世話かもしれないけれど、最終生理いつだった?もしも…の場合だけど、あなた初産でしょ?出産経験のある夕真さんと同じように点滴ですまない場合もあるの。もし、万が一つわりだったら、それだけ食べられないなら治療の必要もあるわ。差し出がましい事言ってごめんなさい。だけど、大切なことだから。ここ、産婦人科あるからまずそっちへいってみて。」


検査してみないと何とも言えないけれど。

顔つきとなんとなくの感じで、十中八九彼女は妊娠していると思ったのだ。

志摩さんも思い当たる節があるらしく、私の言葉にハッとした様子だった。


「し、志摩ちゃん!?」


夕真さんにも私の話が聞こえたらしく。

慌ててそばにやってきた。



そこへ。


「レイッ!」


オサムが走ってやってきた。

オサムと面識がある青山さんの表情が変わった。



「とりあえず、今日は入院できるように手配したから。今、鎮静剤を打って寝ているわ。ここの立石先生は前にお世話になったから、知っているの。いい先生だから。今回の事はざっと経緯は話してある。ああ、オサムにはくわしく話してなかったわね。」


電話も手短に終えたことを思い出してため息をついた。


「悪い、くわしく話してくれるか?」


オサムが申し訳なさそうな顔をした。

私は頷くと、あっちに談話室があるからと指をさした。


「それでは、失礼します。」


私は振り返って夕真さんたちに頭を下げた。

だけど。


「城田さん。この事、将君は知っているの?」


青山さんの冷たい声が聞こえた。


あーあ、完全に誤解してるな、これ。






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