MOONLIGHT
挨拶も盛り上がり、乾杯も済んだ。
そろそろ将の所へ行かないと、と思いながらもベリー・B改め、べべのパワフルな商品展開の話を聞きいってしまっていた。
これだけ熱い思いを込めて、仕事しているんだと尊敬の念を覚え、モデルを引き受けた以上いい加減な気持ではいけないと改めて思った。
パシャッ、パシャッ。
フラッシュがたかれる。
べべによると、私の撮影は敢えてきちんとは行わず、普通に行動している状態でポスターやパンフレット写真を作成すると言うのだ。
ベリー・Bクールの戦略案は、第一線で働く女のためのものなので、実際に動いている時の美しさを実感してほしいというコンセプトだ。
だから、スカートのすそを気にするお淑やかさを演出するのではなく、仕事のパートナーとしてのものと考えてほしいと言われた。
まあ、実際、服なんてそんなものだし。
だから、今日は一日カメラマンが私に密着して、今日の写真でポスターを作成するらしい。
はあ、大変だ。
でも、何となくべべが私の多忙さを考えてくれているような気もする。
「すみません、カメラの方。」
「はい。私、岡村といいますが。」
「岡村さん、すみませんプライベートなものですが、1枚写真をとってもらえませんか?」
構えたカメラを離し、私の話しに首をかしげる岡村さん。
「実は、私の研究室の学生とせっかくお洒落してきたんで写真をとってもらいたいんです。
まあ、たっているなら親でも使えって言うしね。
皆、さすが裕福な家の子女だけあって、ブランド物をきている。
似合うねー、といったら皆嬉しそうに喜んだ。