MOONLIGHT
「いや、せっかくだから、今日、レイもつれてきて皆紹介して、自慢しようかなって、思って電話したけど、繋がらないし。中川クリニックにいったんだけど、何故か開いてなくて。」
もう、いいや、言い訳は。
そんな気分になった。
その上。
「城田さん、説明してもらえるかな?どうみても、ただの幼なじみってだけには見えないし。葉山さんは俺の友人なんだけど、城田さん・・・もしかして二股かけてるんじゃない?」
青山さんが完全に誤解発言。
はあ。
典幸の、眉があがる。
そして、青山さんにつかみかかる…。
もう、何もかも面倒くさい。
「典幸、いいから。青山さんは無視して。」
「レイ・・・だって!」
「今日は、話があったから会いたいっていったの。だけど、ちょうどよかった。ここで会えて。あのね、私、離婚したの先月。」
「な、なんだってっ!?レイ!?どうして!?」
「…理由はどうでもいい。その報告と、この際はっきり言うけど、今後一切、私に関わらないで。連絡もしないで。服も、プレゼントも送ってこないで。」
「レイッ!そんなこと、できるわけないだろうっ!?」
私の言葉に目を見開く、典幸。
そして、最後のとどめを刺す。
「どうせ、私たちあかの他人だし。あの人にも言っておいて。もう、こないでって。これからは、関わりなく1人で生きていくから。」
「レイッ!本気で言ってるのか?」
「本気よ、今まで誰にも頼らないで1人でやってきたのよ。ちょっと、人と関わるとこんな面倒な事になるの。もう、誰とも関わりたくない!」
私はそう言い捨てると、走り出した。
呼び止める声がする。
でも、もう振り向かない。
門を出ると、丁度、タクシーが来たので飛び乗った。
ここであったことは、全て偶然だったのか、それとも―――
必然だったのか…。